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手記「大人猫を迎えたら」  ~マーニーの場合~

25日(日)の譲渡会参加猫は大人猫がほとんどになります。
子猫を探していらっしゃる方には申し訳ないですが、
大人猫との暮らしもいいものですよ。
ということで、大人猫を迎えてくださったご家族の手記を参考までに:


11月に近況お便り をいただいた
マーニーの飼い主さんに、大人猫を迎えた経験を
手記にしていただけないかとお願いしていたのですが
素敵なお便りが届いたのでご紹介します♪

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「ちょっとビビりな大人猫を迎えたら」

モデルマーニー2

譲渡会の会場は穏やかな雰囲気で、スタッフの皆さんが笑顔で迎えてくれました。
「お目当ての猫がいますか?」
「特にはいませんが、大人の猫を飼いたいと思っているんです」
「そうですか! ちょうど良い猫がいますよ」
後で知ることでしたが、譲渡会でもやはり子猫の方が、
先に貰われていくケースが多いとのこと。
うちは自営業で妻も働いており、子猫の面倒をみるのが難しいことが、
大人猫を希望した第一の理由でした。
その時、私たち夫婦は大人猫を譲り受ける大切な意味を、
まだ理解し切れていなかったのかもしれません。
 
「スコティッシュなんですよ」
ボランティア里親のNさんが抱きかかえて連れてきた大人猫は、
少し垂れた耳を持つサビ柄の雌猫でした。
妻の腕に託されたその雌猫は身を固くして、尻尾を丸めて、緊張していました。
「すごくおとなしい猫ですよ。家族5匹で捨てられていたママさん猫なんです」
以前の飼い主に捨てられても近所から離れようとせず、
健気に家族5匹で地域猫として暮らしていたママさん猫たち。
その5匹を善意の心で救い、自宅で保護していたのがNさんでした。
1匹はNさんが飼い、他の3匹はそれぞれに新しい飼い主が決まった中、
最後に残った猫がこのママさん猫でした。
捨てられた経緯を聞き、思わず涙ぐんでしまった妻。
でも、心温かいボランティア里親のNさんの下で、
元気に暮らしてきたことを思うと、
軽い気持ちで譲り受けるとは言えませんでした。
精一杯の頑張りで妻に抱かれていたママさん猫を私が抱こうとすると、
ぴょんと跳んでケージの陰に隠れてしまいました。
きっと初対面の訳の分からないオジサンに抱かれるのは、
気分の良いものではなかったのでしょう。
「男の人は苦手みたいなんですよ……」
その3歳のママさん猫は、最初の飼い主の下で3匹の子供を産み、
捨てられ、Nさんに救われたものの、
以前の辛い思いをそれなりに抱えていたと思います。
そんなママさん猫の過去を果たして背負えるのか。
私たち夫婦は、トライアルの可否の判断に少し時間を頂くことにしました。

家族で熟慮しての3日後、そのママさん猫を飼うことに決めました。
それはママさん猫の姿が、どうしても忘れられなかったからです。
勿論、トライアル期間を無事クリアすることが
譲り受ける上での大前提です。
それは里親さんから旅立つママさん猫の頑張りよりも、
受け入れる私たち家族の頑張りに懸かっていると思いました。
飼うための必要最小限のものを揃え、
私たちはママさん猫の来る日に備えました。
名前はトライアルをお願いする時に
「ママと呼んでいたから、マから始まる名前が良いと思いますよ」と
Nさんからアドバイスを受けていました。
マール、マーブル、マーガレット……
家族で相談した結果、まだ正式に譲渡が決まったわけでもないのに、
娘が推した「マーニー」と名付けることにしました。
トライアル当日、待ち合わせたNさんのケージの中で
緊張気味のマーニーを私たちの家に連れてきました。
ケージから出されたマーニーは、
ここはどこだと言わんばかりに尻尾を丸めて、怖がっていました。
Nさんと諸々のことを話しながら、マーニーの様子を見ていると
階段下の物置の奥に、さっと身を隠してしまいました。
覗いてみると荷物の奥の方、丸い目が光っています。
呼んでも出てくる気配は全くありません。
「これを使ってみましょう」とNさんが取り出したのは
大好きなキャットフード。
釣られて出てきたマーニーですが、
それを平らげるとまた物置の奥に身を隠してしまいました。
このビビりは、なかなかものだなと感心しつつも、
あとはNさんの思いを受け継いで、
私たち家族がマーニーを大切にするしかないと思いました。

マーニーは正式譲渡になってから暫くの間、
私たち家族との生活に戸惑っていたようです。
食事をしても吐いてしまうことが数日続きました。
キャットフードの袋を破いて食べようとしたり、
トイレの砂の入った袋を引っ掻いたり、
違う環境に移ることへのストレスと闘っていたのでしょう。
私たちはできるだけ、そんなマーニーを見守り、
少しずつ慣れ親しんでくれることを待つことにしました。
マーニーはとてもおとなしい猫で、最初からトイレの失敗もなく、
自営業の私の仕事を決して邪魔しませんでした。
ただ、私たち家族とは少し距離を置き、
媚を振るようなことはしませんでした。
そんなマーニーとの距離を縮めようと、強引に抱いたり、撫でまわしたり、
過剰なスキンシップをしてしまったこともありました。
そんな時、マーニーは、懸命に私たち家族に馴染もうとして、
じっと我慢していたのかもしれません。
でも、長く暮らしてきた場所を離れ、
見ず知らずの人たちがいる新しい環境に馴染むには、
ある程度の時間が必要だったのだと思います。
うちに来てから1、2ヶ月経ち、
私たち家族は、もっとマーニーのペースを大事にしてあげようと
思うようになりました。
そうしているうちにマーニーは徐々に自分の居場所を見つけて、
落ち着く様になりました。
寒い日は日の当たる場所、
暑い日は風通しの良い涼しい場所や
ちょっと冷たいフローリングの上、
家族が揃う時は居間にある椅子やストーブに上に
ちょこんと居座っています。
食事の時間や遊びたい時はすり寄って甘えるようにもなりました。
子供たちの隣でゆったりと昼寝をしている時もあります。
自分から誰かに抱かれようとはしませんが、
妻や私が抱き上げると、身を委ねるようにもなりました。
最近は、私の掛け布団の上で寝ることや、
寒い日の夜中にもぞもぞと布団の中に入り込んでくる日もあります。
そうかと思えば、お気に入りのクッションに早々と寝てしまうこともあり、
自由気ままな生活をしています。
そんなマーニーを見ていると、私たち家族の誰もが穏やかな気持ちになります。

マーニーと暮らすようになって、
あっという間に3年が過ぎました。
相変わらず、初対面の人には持ち前のビビりを発揮していますが、
何度か顔を合わせる人には逃げないようになりました。
猫も人間と同じように成育環境によって、個性の違いが出るのだと思います。
マーニーのように、大人猫になってから、
捨てられてしまった猫たちは、
その理由も分からないままに地域猫として暮らす現実を抱えてしまいます。
そんな大人猫たちを飼おうと思ったからには、
焦らずにゆっくりとお互いの距離を縮めていく必要があるのかもしれません。
肩肘を張らず、「一緒に楽しく暮らそう」と言う思いを忘れなければ、
マーニーのような、ちょっとビビりな大人猫たちも
その気持ちにきっと応えてくれると思います。

モデルマーニー3 
*画像はプロカメラマン 高木俊幸氏によるもの   


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